きみごはんの湯気のむこう
당신의 식사 온기 너머에서
제목 : 당신의 식사 온기 너머에서(きみごはんの湯気のむこう)
작가명 / 서클명 : 関田いくみ(@kaede_pepper) / WILL
발행일 : 2017년 12월 30일
※ 역자 : Johnnyrf
きみごはんの湯気のむこう
당신의 식사 온기 너머에서
関田いくみ
「おまちどおさま曜ちゃん。 志満ねえがめっちゃくちゃたくさん食材送ってくれたからね、 二人でたらふく食べてもなくならないからガンガン食べて」
「오래 기다렸지 요우쨩. 시마 언니가 식재료를 엄청 많이 보내줬거든, 둘이서 실컷 먹어도 줄지 않으니까 마구마구 먹자」
カセットコンロにゆれる火のうえ、 独り暮らしじゃ使わない、 実家で使っていたような懐かしい大きさの土鍋がどんと据えられた。 ぐつぐつという出汁の煮えたつ音が耳にもここちよくて、 お腹のを空かせてくるようにと伝えられていたおかげもあって、 素直にぐぅっと腹の虫が鳴った気がする。
휴대용 가스 버너의 흔들리는 불에, 혼자서는 쓸 일이 없는, 집에서 사용 할 것 같은 그리운 크기의 뚝배기가 쿵 하고 자리 잡았다. 지글지글 국물이 끓는 소리가 귀에도 상쾌한데다, 배를 비우고 오라고 전해 듣기도 해서, 솔직히 뱃속의 벌레가 더욱 꼬르륵하고 운다고¹ 생각하게된다.
¹ 공복 때 배가 꼬르륵 울리는 것을 뱃속에 벌레가 있어서 운다고 하는 뜻.
学生向け物件のダイニングキッチンと続き間の部屋。 寝室にもなってる完全プライベート空間。 座卓を囲んで、 レッツパーリィ。
학생용 건물 식당 주방과 이어져 있는 중간의 방. 침실도 되는 완전 사적인 공간. 좌탁을 에워싸고, Let's Party.
一度に煮るには多かった食材をざっくりとバットの上にのせて、 もう一陣で持ってきた千歌ちゃんの得意そうな表情がまばゆい。 そう。 大学にはいってから、 千歌ちゃんはどんどんいろんな新しいものに手をのばして得意にしている。 料理だってそう。 吸収するのが楽しくて仕方がないんだよって言いながら、 授業の合間に器用に自炊してるんだもん。 ちょっとどころか感心してしまう。
한꺼번에 끓이기에는 많았던 재료들을 큰 토막을 내어 접시에 담아, 먼저 가져온 치카쨩의 만족한듯한 표정이 눈부시다. 그렇다. 대학에 들어간, 치카쨩은 점점 여러가지 새로운 것에 손을 뻗고 잘하게 되었다. 요리도 그랬다. 배우는 것이 즐거워서 어쩔 수 없어라고 말하면서, 수업 틈틈이 요령을 부려 자취² 하는 걸. 약간은커녕 상당히 감탄해버리고 만다.
² 직접 밥을 지어 먹는다는 자취
自分なんかは寮生活だし。 寮母のおねえさま……って言わないと怒られるおかあさんたちがご飯作ってくれるし。 なんにもできないわけしゃないけど、 高校のころより作ったりどうしたりの頻度は下がってしまった。
자신은 왠지 기숙사 생활이고. 기숙생을 돌봐주는 언니……라고 칭하지 않으면 혼내는 아주머니들이 밥 만들어주신다. 직접 못할 것도 없지만, 고등학교 시절보다는 만든다거나 어떻게 하는 빈도는 줄어들고 말았다.
千歌ちゃんは通っている大学からすこし離れた小さな料理屋さんでバイトをしているのだけど、 旅館の娘としてもとからの作法が身についていたせいか、 大将さんにも女将さんにもすごく気に入られているとかでお休みも融通を利がせてもらえるらしい。
치카쨩은 다니는 대학에서 조금 떨어진 작은 음식점에서 아르바이트를 하고 있는데, 여관의 딸로 태어나서 그런 예의범절이 몸에 배서인지, 대장님께도 여주인께도 몹시 마음에 들어서 휴가도 융통성 있게 사용 할 수 있을 것 같다.
私の都合を聞いてからお休みをあわせてくれて、 今夜、 ひさしぶりにお招きいたでいてのご飯会だ。
내 사정을 듣고 휴가를 맞추어주고, 오늘 밤, 오랜만에 초대받은 식사 모임이다.
「いやでも、 これすごいね。 何人前?」
「이야 그래도, 이거 엄청나네. 몇 인분일까?」
って、 訊ねるのは野暮だったかも。 昔の千歌ちゃんなら、 ひょっとアバウトな返し方をしてきたかもしれないけど。 「そうだねぇ、 一見多くは見えるけど。 鶏と鱈の配分で考えるとお店の三人前くらいだよ」 なんて、 おおよその目星もつけられるようになったのだ。
라고, 묻는 것은 촌스러웠을지도. 옛날의 치카쨩이었다면, 아마 대충대충 어림짐작해서 대답했을지도 모르겠지만. 「그렇네에, 겉보기에는 많아 보이는데. 닭과 대구의 분배로 봐서는 가게에서의 삼인분정도야」 라니, 어느정도 눈대중 하는 법도 익힌 것 이었다.
「私もちょっと多いかなぁって思ったんだけど。 曜ちゃん、 今日お泊りで、 明日も居るんでしよう?」 って。 こくりと首を傾げられたら、 一もニもなく 「うん。 その、 つもりだけど」 って返しちゃうってもんですよ。 やっぱり。 その、 好きな人と、 いっしょにいられるんだから。 うん。
「나도 좀 많으려나 하고 생각했는데. 요우쨩, 오늘 자고, 내일도 있을거지?」 라고하며. 가볍게 고개를 갸웃거리자, 이의없이 「응. 그럴, 생각이지만」 이라고 돌려주는 것이었다. 역시. 그, 좋아하는 사람과, 함께 있을 수 있는 것이니까. 응.
えへへ。 って、 てれたように微笑まないで。 胸の奥をぎゅっとつかまれたようにときめいちゃうから。 お付き合いして慣れてきたつもりだったけど、 やっぱり千歌ちゃんのちいさな仕草で撃ち貫かれてしまう。 いつまでたっても、 千歌バカ曜らしい。
에헤헤. 같이, 수줍은듯 웃지 말아줘. 가슴 속을 꽈악 잡은 듯이 설레어 버리니까. 교제하고서부터 익숙해지려고 했지만, 역시 치카쨩의 자그마한 행동만으로 쏘아져 꿰뚫리고 만다. 언제까지라도, 치카바보인 요우인것같다.
「あと飲み物いくつかあるけど、 最初はビールでいい?」
「그리고 마실 것이 몇 가지 있는데, 처음에는 맥주 괜찮아?」
ちょっと手伝った方がよかったかなと思えるくらいの仕事量を、 千歌ちゃんはテキパキとこなしていく。 冷蔵庫から冷えた瓶ビールなんて取り出してくるから、 今日はどれだけ豪華なんだろうと、 驚く瞳がもとに戻るか不安になってしまうくらいだ。
좀 도와주어야하나 생각될 정도로 많은 일도, 치카쨩은 빠르게 척척 해치워간다. 냉장고에서 차가운 병 맥주를 꺼내러 갔다 오니, 오늘은 얼마나 호화로운 것일까, 놀라서 눈을 휘둥그레 뜨며 불안하게 흔들릴 정도였다.
千歌ちゃんが持ってきたのは、 ラベルのイラストレーションが独特な沼津では有名は地ビール屋さんのもの。 「あぁ。 この辺でも売ってるお店あるんだよね! よくパパのために買いに行ったよ。 道路渡った角っ子の酒屋さんまで」 と、 こちらもテンションをあげてしまった。
치카쨩이 가져온것은, 라벨의 그림(일러스트레이션) 이 독특한 누마즈의 유명한 지역 특산 맥주인 것. 「아아. 이 근처에도 팔고 있는 가게 있어! 자주 아빠를 위해 사러 갔었어. 도로 건너편의 角子의 술집씨 에게서 말이야³」 라고 해서, 이쪽도 텐션이 올라버렸다.
³道路渡った角っ子の酒屋さんまで 원문은 이것인데, 완전히 의역해버린 것이므로 그냥 그런 말이려나 하고 봐주십시오.
地名の入っているラガービール。 ちょっとひさびさに手に取る。 パパのグラスに注いでいたこどものころより、 すっかり手になじむようになってしまったのは、 大人になった自分の手がいろいろなものに触れてきた証拠なのかもしれないけど。
지명이 적혀있는 라거 맥주. 조금 오래간만에 손에 들어본다. 아빠의 잔에 따르던 어릴 때보다, 완전히 손에 친숙한 느낌이 되어버린 것은, 어른이 된 자신의 손이 다양한 것을 접해 온 증거일지도 모르지만.
「曜ちゃんと久々のお家デートだからフンパツしたんだよ。 あ、 あと、美渡ねえがひさびさにゆっくりできるなら二人で吞みなって、 日本酒送ってくれたんだよね。 それも吞もうね」
「요우쨩이랑 오랜만에 집 데이트니까 분발해봤어. 아, 그리고, 미토 언니가 오랜만에 느긋하게 둘이서 술을 마시라고, 일본주를 보내줬어. 이것도 마시자구」
あー。 すごいシアワセな話しゃない? 至れり尽くせりすぎて、 ちょっとやばくない? と思う気持ちに笑顔がとまらなくなるから、 だらしないって言われる前にビール瓶の栓をカチリと抜いて千歌ちゃんに勧める。 すごいシンプルなソーダグラスに、 こぽりと注がれて泡立つ小麦と白い波。
아아-. 엄청난 행복이란 이런 걸 말하는 걸까? 극진한 대접이지만, 조금 위험하지 않아? 라고 생각하는 마음에 미소가 멈추지 않게 되니까, 칠칠치 못하다는 얘기를 듣기 전에 맥주 병 마개를 찰칵 하고 따고선 치카쨩에게 권한다. 너무 심플한 음료수 잔에, 따라지는 보글보글하는 거품이 이는 소맥의 하얀 물결.
「っとぉ。 いい泡たちましたねぇ」
「たちましたねぇ。 これは美味しい予感がしますぞぉ」
美味しそうな琥珀に気軽なトーク。
「「おつかれさまー」」
「이거. 좋은 거품이네」
「치솟아 있네에. 이거 맛있을 거 같은 예감이 들어」
맛깔스런 호박색과 가벼운 토크.
「「수고했어~」」
ちいさく笑って、 グラスをあわせて。 日頃の労をねぎらうようにささやかな乾杯をかわして、 いつのまにか飲めるようになっていたビールを一口。 なめらかな泡ときつすぎない苦みにこくりと喉をならして、 いよいよと膝立ちでテーブルに立ち向きった。
작은 웃음, 잔을 맞춘다. 평소의 노고를 위로하듯 작은 건배를 나누고, 어느새 먹게 되었던 맥주를 한 모금. 부드러운 거품과 지나치지 않은 쓴맛에 가볍게 목을 울리며, 드디어 무릎을 꿇고 테이블로 향했다.
昨夜バイト先の大将さんが持たせてくれたっていうお惣菜の小鉢。 小松菜とちりめんの煮びたし、きんぴらごぼうなんかも出されていて、 千歌ちゃんの部屋の小さなテーブルはごちそうの山になっている。
어젯밤 아르바이트의 사장님이 주셨다는 반찬이 담긴 작은 사발. 소송채와 치리멘⁴의 니비타시, 우엉 조림도 나오고 있고, 치카쨩의 방의 작은 테이블은 진수성찬의 산이 되어있다.
⁴ちりめん의 뜻은 아주 작은 생선 따위를 평평하게 펼쳐서 말린 모습이, 자잘한 주름이 있는 비단 보자기와 닮았다 하여 뜻하는 말. 보통 음식에서는 일본식 멸치조림을 뜻함.
「いよいよ! おまちかねの、 鍋のふた、 開けます!」
「드디어! 기다리던, 냄비 뚜껑, 열겠습니다!」
布巾で熱さ避けをして、 千歌ちゃんが土鍋のふたを持ち上げる。 ぼうっとあがる白い湯気。 あたたかな部屋の中でもそれが見えるのだから、 どれだけ熱々なのかっていうのはよくわかる。 火をとろく小さくしたのに、 ぐつぐつと煮えているのだから食べるのにも要用心というところだ。
행주로 데이지 않게 하고, 치카쨩이 뚝배기의 뚜껑을 들어 올렸다. 하얀 김이 확 올라온다. 따뜻한 방 안에서도 그것이 보이기 때문에, 얼마나 뜨거운지는 잘 알 수 있었다. 불을 뭉근하게 작게 만들어, 계속 부글부글 끓고 있으니 먹을 때도 주의를 해야 하는 것이었다.
「お客様、 鍋、 お取りしますね」
「손님, 나베, 드셔주세요」
とか。 出た。 ちいさなわざとらしい旅館モード。 ここまで至れり尽くせりなら 「お願いします」 と、 甘やかしてもらうことにする。 「とんすいまでは用意ないからねー」 と、 ドーナツチェーン店のくまキャラの樹脂ボウルにおたまでひとすくい。
라던가. 나왔다. 작고 부자연스러운 여관 모드. 이렇게나 극진하게 하니 「부탁드립니다」 로, 부려먹어 받아 먹기로 한다. 「거기까지는 준비하지 않았으니까ー」 라며, 도넛 가게의 곰 캐릭터가 그려진 수지 그릇에 달걀 하나를 꺼낸다.
「はいどうぞ」
「ありがとう千歌ちゃん」
「여기 있습니다」
「고마워 치카쨩」
器を受け取り、 よそわれた具材の豪華さに喉が鳴った。 大学生の独り暮らしのご飯じゃ、 とうてい届かないご予算だろう。 おぉ。 青菜は水菜に、 人参白菜、 鶏の……わ、 もも肉久しぶりだなぁ。 あと鰭と。 なんだろうお団子入ってる。
그릇을 받고, 단장된 속재료의 고급스러움에 목이 울렸다. 대학생 혼자 해 먹는 밥에서는, 도저히 할 수 없을 예산이다. 오오. 청채와 미즈나에다, 인삼백채, 닭……아, 다리살 오랜만이구나아. 그리고 지느러미도. 무엇인가 경단도 들어있어.
「ポン酢もあるし、 もみじおろしも大将からわけてもらったから好きなように食ベてね」
「うん。 いただきます」
「폰즈도 있고, 모미지오로시도 사장님께 나눠 받았으니까 원하는대로 먹어줘」
「응. 잘 먹겠습니다」
鶏肉も、 もも肉とかほんとうに久しぶりかも。 飛び込みとか水泳の競技にかかわってるとやっばり体が資本だから、 食事も制限しないといけないときがあったし。 どうしても脂質のすくない胸肉とかだったからね。 大学も三回生。 競技からは一歩ひくことになったけど、 後輩とかまだ競技を続けてる先輩のサポートしたりもしてるし。 寮でも選抜ででかけても同じような食生活だから、 さすがに飽きたりしちゃうんだ。
닭고기도, 다릿살도 정말 오랜만이네. 다이빙이나 수영 경기에 관련되면 역시 몸이 자산이니까, 식사도 제한하지 않으면 안 될 때가 있었고. 아무래도 지방이 적은 가슴살이나 있었지. 대학도 3학년. 운동에서도 한 걸음 멀어지게 되었지만, 후배나 아직도 경기를 계속하는 선배를 서포트하기도 했었고. 기숙사에서도 선발로 나가서도 같은 식생활이라 역시 질리거나 했던 것 같아.
だからかどうか。 この、 むちっとした肉の噛み応え。 野菜の美味しさ。 ひとくちつゆを含めば即時陥落。 なにより、 すきな人の手料理。
그래서인지. 이, 통통한 고기를 씹는 맛과, 채소의 맛. 거기에 한입의 국물을 포함하면 즉시 함락. 무엇보다도 좋아하는 사람이 직접 한 요리라서일까.
「あああああああ。 脂がおいしい」
素直に悶えてしまった姿をみて、 千歌ちゃんがぷかりと笑った。
「ねぇ。 旨味が違うもん。 いいんだよぉ曜ちゃん、 うごけなくなるくらい食べていいんだからねぇ?」
なんて。 どんな甘やかしだろう。
「아아아아아아아. 기름기가 맛있어」
솔직하게 갈등하고 있는 모습을 보고, 치카쨩이 살짝 웃었다.
「그치. 맛이 다른걸. 좋아 요우쨩, 꼼짝 못할 정도로 먹어도 괜찮으니까 말이야?」
라니. 어떤 어리광일까.
「うごけなくなるくらいって、 さすがにそこまで食べられないかな」
「まぁまぁそんな遠慮しないで。 うごけなくなったら、 私が曜ちゃん食べちゃうから」
って。 いまなにかすごい発言聞こえたね?
「꼼짝 못할 정도라니, 과연 거기까지 먹을 수 있을까」
「아무튼 사양하지 말고. 꼼짝 못 하게 되면, 내가 요우쨩 먹어버릴 테니까」
라니. 지금 뭔가 엄청난 말을 들었는데?
「ダメダメ。 どうせ筋肉質だし美味しくないですよ。 それにしたって、 食べたばっかりとかはヤダよ。 お腹ふくれてたぬきみたいだもん」
冗談にそれを上乗せして、 二人でケタケタ笑う。 いつのまにか、こういうバカで笑えるようになったなぁ。 最初のころは、 ちょっとでも意識しちゃってガッチガチだったし、 嘘でも大人向けの想像につながることは真っ赤になって押し黙っちゃったのに。
「大将がね、 大事な人がご飯食べにくるんでって言ったら、 お店で出してたつみれもわけてくれたんだよ。 おかげでほんとに美味しい」
ーーいつか作り方教えてもらうんだ。 ウチの旅館でも出せるようにしたいしね。
「안돼안돼. 어차피 근육질이고 맛이 없을거라구. 그게 아니라도, 먹히는건 싫다구. 배를 채우는게 너구리 같아」
농담에 더 얹어서, 둘이서 깔깔 웃는다. 어느덧, 이렇게 바보같이 웃을 수 있게 되었을까. 처음에는, 조금이라도 의식해버리면 딱딱해졌고, 거짓말이라고 해도 야한 상상으로 이어질 것처럼 새빨개져서 침묵을 지켜버렸었다.
「사장님이, 소중한 사람이 밥 먹으러 오니까 라고 하시면서, 가게에서 내오는 동그랑땡도 나누어 주셨어. 덕분에 정말 맛있었네」
ーー언젠가 만드는 방법 가르쳐달라고 할거야. 우리 집 여관에서도 낼 수 있도록 하고 싶어서.
おつゆは市販の固形スープだっていうけど、 ほんとうに美味しい。 伊豆の名産でもある原木栽培のしいたけもたくさん。 これをお店で食べるには、 かなりのお値段になるヤツだって、 それなりの待遇で雑誌の取材もうけたりしたことがあるからよくわかった。 故郷の素材をふんだんに使ったご飯。 それがどういう意味合いを持っているのか、 いまになってようやく理解できている。
국물은 시판하는 고형 스프라고 하는데도, 정말 맛있다. 이즈 시의 명산물인 원목 재배의 표고 버섯도 잔뜩. 이런 걸 가게에서 먹어보기에는, 상당히 가격이 나갈 거 같은 녀석이라는 걸, 그만한 접대를 잡지의 취재에서 받아본 적이 있으니까 잘 알고 있었다. 고향의 재료가 듬뿍 들어가 있는 식사. 그것이 어떤 의미를 갖고 있는지, 지금에서야 이해 할 수 있었다.
高校を出て同じタイミングで沼津を出てきた私と千歌ちゃん。 帰省している回数は圧倒的に千歌ちゃんのほうが多い。 とある私学で地域活性のための勉強をしているだけあって、 千十万旅館からつながる商いやおもてなしの輪を今から深めているのだ。
고등학교를 나오고서 같은 타이밍에 누마즈를 나온 나와 치카쨩. 귀성하는 횟수는 압도적으로 치카쨩이 더 많다. 어떤 사립학교에서 지역 활성을 위한 공부를 하고 있는 만큼, 토치만 여관에서 이어지는 장사법이나 대접의 폭을 지금부터 심화해가고 있는 것이다.
高校三年生になったときの千歌ちゃんの成績は芳しいほうじゃなかったんだけど、 やりたいことをやるって決めたって、 学部も絞って一気に追い上げた。 一年浪人して後輩と頑張るって手もなかったわけじゃないのに、 ストレートで勝ち取ってみせたあたりがほんとうに彼女らしいと合格発表の夜に笑いあったんだけどさ。
고등학교 삼학년이 되었을 때의 치카쨩은 성적이 좋은 건 아니었지만, 하고 싶은 일을 하겠다고 결정하더니, 학과 과정을 단숨에 따라잡았다. 일년 재수하고 후배와 노력하는 방법이 없었던 것도 아닌데도, 스트레이트로 쟁취해냈고 주위에서는 정말 그녀답다고 합격 발표의 밤에 서로 엄청 웃었었다.
音大に出る梨子ちゃん。 大学からのスカウトで迎え入れられる自分。 そして千歌ちゃんと。 三人のうち誰も沼津に残らなかったのは意外だったみたいだけど、 あとは任せろってみんなが送り出してくれた。
음악대에 입학한 리코쨩. 대학교에서 스카우트로 영입된 자신. 그리고 치카쨩도. 세명 중 누구도 누마즈에 남지 않았다는 것은 의외인것 같은데, 나머지는 맡겨줘 라며 모두들 배웅 해 주었었다.
将来のビジョン。 気づけば千歌ちゃんのほうが明確に手にしているそれを、 一歩ひいたところから眺めていて。 自分は、 どうしたいって思ったんだろうって、 ちよっともやがかかるときが、 あるんだよ。 ね。
미래의 비전. 눈치 챘을 때는 치카쨩이 분명히 손에 들고 있는 그것을, 한발 물러선 곳에서 바라보고 있었다. 자신은, 어떻게 하는 게 좋을까라고 생각할 때마다, 좀 안개가 낄 때가, 있어. 응.
そこで、 思い出すのが、 仲のいい先輩のこぼしていた話。 いまはもう時差の向こう側に居る、 金髪の才女。
「そういえば。 この前沼津帰った時、 鞠莉ちゃんとダイヤさんに会ったって」
う。 真剣な話に持ち込まないといけないぶん、 ビールの苦みが強く感じる。 気持ちの切り替えには丁度いいのか。 グラスをテーブルに戻すのと同時に、 千歌ちゃんが複雑そうに眉を段違いにしているのが見えた。
「鞠利ちゃんから?」
「うん。 会ったよっていう事しか聞いてないけど」
거기서, 생각나는것이, 친한 선배의 불평하는 이야기. 이제는 시차의 건너편에 있는, 금발의 재녀.
「그러고보니. 저번에 누마즈에 갔을 때, 마리쨩이 다이아씨를 만났었다고 했어」
음. 진지한 이야기가 되지 않을리가 없으니, 맥주의 쓴 맛이 강하게 느껴진다. 기분 전환에는 딱 좋은 것일까? 잔을 테이블에 놓는 것과 동시에, 치카쨩이 복잡하게 눈썹을 움직이는 것이 보였다.
「마리쨩이?」
「응. 만났어 라는 말밖에 못 들었지만」
オハラグループの息女である小原鞠利ちゃんと、 先輩後輩で仲がいいのは知れている。 彼女はビジネスとしっかり分けることができる人だから、 ほんとうに 「千歌ちゃんと会った」 という事実しか聞いていない。
오하라 그룹의 따님인 오하라 마리쨩과, 선배 후배로 사이가 좋은 것은 당연하다. 그녀는 비즈니스를 확실히 구분하는 사람이니까, 정말 「치카쨩이랑 만났구나」 라는 사실밖에 듣지 못 하고 있었다.
でも。 聞いたほうは予測は立てられるし。 憶測だって持つことができる。 一緒に会ったという人が、 地元の有名な家柄である黒澤家の長女、 その人だというのならちよつとした 『込み入った話』 だったはずだ。
하지만. 듣는다는 것은 추정을 해볼 수 있고. 억측도 가질 수 있다. 함께 만났다는 사람이, 현지의 유명한 가문인 쿠로사와 가의 장녀, 그 사람이라고 하면 조금 『복잡한 이야기』 이었을 것이다.
そっか。 聞いたのか。 と。 やっぱり区切りをつけるように、 手元のグラスを一口紙めて。 すっと行儀以上の居住まいをただして、 千歌ちゃんがこちらを見据えた。
「曜ちやんは、もう働く予定とか決まってるんだよね?」
と。 三回生の立場ながら、 動き始めているもろもろを指して言う。
「うん。 まぁ。 強化選手のときにご縁ができた食品会社のほうでかたまりはじめてるけど」
公にどうこう言いにくい話だけど、 相手が彼女なら別だ。 隠さずに告げれば、 気持ちに含めるようにひとつ頷く。
그런가. 들었던건가. 하며. 일단 단락을 짓고서, 수중의 잔을 한모금 마신다. 가벼운 앉음새를 바로잡고, 치카쨩이 이쪽을 응시했다.
「요우쨩은, 이제 일할 예정 같은 게 결정되어있지?」
라고. 삼학년의 입장이라며, 처음 움직이며 여러가지를 가리키며 말한다.
「응. 뭐어. 강화 선수 때 인연이 생긴 식품 회사 쪽으로 뭉치려고 하고 있었지」
공개적으로 이러쿵저러쿵 말하기 거북한 이야기이지만, 상대방이 그녀라면 다르다. 숨김없이 말하다 보면, 기분이 드러나도록 하나하나 끄덕여준다.
「あのね。 この前沼津に帰った時、 志満ねえからたいせつな用事があるって言われて、 お料理屋さんに着いて行ったんだけど。 その先に二人が待ち構えててさ。 鞠利さんかダイヤさんのところで、 一度預からせてほしいって話になったんだよね」
ーーこっちのホテル事業とかで就職してもいいなって思ってたんだけど、 ちょっと想定外というか。 驚くばかりで、 すぐに返せなかった。
「저기 말이야. 저번에 누마즈에 갔을 때, 시마 언니가 중요한 용무가 있다고 해서, 음식 가게에 도착했었는데. 그 앞에 두 사람이 기다리고있었어. 마리씨와 다이아씨가 그곳에서, 한번 맡아보고 싶다는 이야기가 된 거야」
ーー이쪽의 호텔 사업 등으로 취업해도 좋다고 생각했었지만, 좀 예상 외랄까. 놀라버린 것이, 금방 돌아오지 않았다.
そう。 千歌ちゃんが困ったように笑う。 高校の部活の先輩としてフランクに鞠利さんと敬うのだから、 その場の剣呑極まりない空気が自分にも触れてくるようだ。
그러자. 치카쨩이 곤란한 듯이 웃는다. 고등학교 부 활동 선배로서 솔직하게 마리씨를 존경했었으니, 그 자리의 험하기 짝 이없는 공기가 자신에게도 닿아 오는 것 같다.
『千歌さんの実行力と芯のつよさを我々は誰よりも知っていますし、 非常に高く評価しています。 そしていま東京で励んでいる学問も、 これから先のわたしたちになくてはならない指針になると。 そう思ってのお誘いです』
『치카씨의 실행력과 심지굳음을 우리는 누구보다도 잘 알고 있고, 매우 높게 평가하고 있습니다. 그리고 지금 도쿄에서 힘 쓰고 있는 학문도, 앞으로의 우리에게 없어서는 안 될 지침이 된다면. 그렇게 생각했던 권유였습니다』
『正直な話。 地元企業の黒澤に渡すには惜しい人材ですから。 こうして公正に話し合いを始めましょうと、 揃ってお伺いしました。 よい返事がもらえるように、 これからも惜しまずにラブコールをさせてもらいます』
『정직한 이야기. 현지 기업인 쿠로사와가 에게 넘기기에는 아까운 인재니까요. 이렇게 공정하게 논의를 시작하며, 일찌감치 모두 찾아 뵈었습니다. 좋은 답변을 받을 수 있도록, 앞으로도 아끼지 않고 러브콜을 하겠습니다』
なんて。 わざわざ二人。 特に鞠利ちゃんが帰国してるときにあわせて話を振ってくるなんて余程のことだし、 それだけ本気の話なんだって理解もできた。
「どうするの?」
「うん。 ありがたすぎる申し出なんだけど、 もうちょっと考えさせてほしいって連絡はいれたところ」
이라니. 두 사람 일부러. 특히 마리쨩이 귀국할 때에 맞추어 얘기를 바꾸는 게 만부득이한 일이고, 그만큼 진지한 이야기라고 이해되기도 하였다.
「어떡할 거야?」
「응. 고마운 제의이지만, 좀 더 생각하게 해달라고 연락을 했었어」
その声の迷いと、 うすらとした笑顔を隠すように、 彼女はもう一度グラスを持ち上げた。 くい。 あおって、 中身がなくなる。
그 목소리의 방황과, 엷은 미소를 감추듯이, 그녀는 다시 잔을 들어 올렸다. 음식을 먹으며. 단숨에 들이켜, 내용물을 비워낸다.
そっか。 あぁ。 そうだよね。 そうだよ。 もう、 次のステップに進むための時間が近づいている。 こうして都内に出てこられたけど、 あと一年ちょっとで、 それこそ今度は違う場所へ進んでいくわけで。
그런가. 아아. 그렇지. 그래. 이제, 다음 단계로 나아가기 위한 시간이 다가오고 있다. 이렇게 도내로 나올 수 있었지만, 앞으로 길어야 일 년이면, 그때야 말로 이번에는 다른 세상으로 뻗어 나갈 때 이다.
近くに居られるから、 こうやって親密な関係も築けているけど。 ぐっと踏み込んで、 恋人の立場なんだけど。 ほんとうなら高校の卒業時に訪れるはずだった離ればなれの日々が、 四年遅れてやってきただけとはいえ。 まだ、 猶予もあるとはいえ。 なかなか、 気持ちに、 突き刺さる。
주변에 있었기 때문일까, 이렇게 친밀한 관계도 쌓을 수 있었지만. 훨씬 나아가, 연인의 입장이라면. 정말이라면 고등학교 졸업 때 찾으러 왔을 것이지만 따로 따로 떨어진 나날 때문에, 사 년 뒤늦게 찾아온 것이라고도 말한다. 아직, 유예한 시간도 있다고는 말하지만. 좀처럼, 마음에, 걸린다.
「どっちを選んでもビシバシ使ってくれそうなものわかってるし、 仕事にはいっちゃえば気持ちも切り替わるのはわかるんだけど。 かんたんに決められないから」
当然の言葉を紡いで、 鍋の続きに手をかける。
「志満ねえも美渡ねえも、 お母さんも。 家族みんな、 私の好きにすればいいって言ってくれるけど。 スクールアイドルのときとかの自由さとか、 そういうものも含めてみて、 好きにさせてくれてるんだってわかってるからさ」
ーーなおさらむずかしいんだよ。
「어느 쪽을 선택하더라도 있는 힘껏 할 것이라는걸 알고 있어도, 직장에 들어가 버리면 마음이 바뀌기도 하니까 이해는 가지만. 쉽게 결정할 수는 없으니까」
당연한 말을 하며, 냄비에 계속 손을 댄다.
「시마 언니도 미토 언니도, 어머니도. 가족 모두, 내가 좋을 대로 하면 괜찮을 거라 말해줬지만. 스쿨 아이돌 때 처럼 자유로움이라던지, 그런 것들을 해보고서, 좋아하는 걸 하는 게 좋다는 걸 알고 있으니까 말이야」
ーー그래서 더욱 어려운 거야.
ずず。 いろんな具材の味がしみ出したおつゆを吸って、 千歌ちゃんははふぅと深い息をついた。
「将来的には、 十千万にもどるつもりでしょ?」
こくり。 頷いて。 もくもくと、 鍋の具材を食す。
주룩. 많은 재료의 맛이 우러나온 국물을 마시고, 치카쨩은 하후우 하며 깊은 숨을 내쉬었다.
「미래적으로는, 토치만에 돌아갈 생각이지?」
끄덕. 수긍했다. 묵묵히, 전골의 재료를 먹는다.
不意にわいてきた難しさに一区切りをつけたくて、 「……呑みもの空いちゃったね。 とってくる」 と席を立つ。 そんなことをしたって、 千歌ちゃんの独り暮らしの二間しかない部屋では無意味だとわかってるのに。 相変わらず、 強さのたりないバカ曜だなぁと自分の内側でののしる。
갑자기 솟아난 난관에 일단락을 내고 싶어서, 「……마실 것 다 떨어졌네. 더 가져올게」 라며 자리를 떴다. 그런 말을 해봐야, 치카쨩이 혼자 사는 두 칸밖에 없는 방에서는 무의미하다는 걸 알고 있는데. 여전히, 많이 서투른 바보 요우라며 자신의 속내에서 자책을 한다.
自分の仕事をする先が、 都内になるかこれから違う場所にとぶことになるのかもまだわからない。 もしかしたら、 スポーツ関連の仕事が多くなって、 国外だってとびまわることになりかねない。
자신의 일을 한다는 앞날이, 도내에 있을지 다른 장소에 날아가게 될지는 아직 모른다. 어쩌면 스포츠 관련된 일이 많아져서, 국외로도 날아갈 수도 있다.
こんな風に、 ぐるぐる考えてしまうのは悪いところだってわかってる。 でも。 簡単に言えないんだよ。 いつだってそうなんだ。 肝心なことは伝えられない。 でも。 もうそろそろいいんじゃないかって、 そう思うんだ。
이렇게 빙빙, 생각해버리는 것은 나쁜 것이라는 건 알지만. 하지만. 간단히 말할 수 없는 거야. 언제나 그랬지만. 중요한 것은 전할 수 없지만. 하지만, 이제 슬슬 괜찮지 않을까 그렇게도 생각한다.
ちやんと言葉にすれば伝わることは、 伝えないとダメなんだよ。
확실하게 말로 전하지 않으면 안 되는 건, 전하지 않으면 안 되는거야.
ずっとずっとわかってたじゃないか。
전부터 계속 알고 있었던 거잖아.
遠距離恋愛の仲間だって居るんだし。 いまさら怖がる必要もない。 荒波荒海なんのその。 そういう気持ちで居たんだろう。 気合をいれるために自分の頬を両手でひとはたき挟み込んで、 ぐっと深く息を吸う。 吐き出すときには、 もう、 戦士の顔だって言われた競技者の自分を呼び覚ます。
원거리 연애의 동반자라는 입장이기도 하고. 이제 와서 무서워 할 필요도 없다. 거친 파도의 바다 같은 건 대수롭지 않아. 그런 기분으로 있었던 걸까. 기합을 넣기 위해 자신의 뺨을 양손으로 쳐대며, 훨씬 깊은 숨을 들이쉰다. 내뱉을 때는, 이미, 전사의 얼굴을 하고 있는 경기자가 된 자신을 깨우친다.
半端な気持ちで飛び込んで大けがをするのなんて、 もう、 たくさんだ。
어중간한 기분으로 뛰어들어서 크게 다치는 것 따위, 이제, 충분하다.
冷蔵庫をあけて、 ドアポケットにあった缶ビールを取り出す。 これ、 たぶん、 実家から持って帰ってきたんだろうな。 お歳暮とかお中元ででまわるお高い缶だ。
냉장고를 열고 도어 포켓에 있던 캔 맥주를 꺼낸다. 이건, 분명, 집에서 가져온 것. 오세보나 오츄겐⁵때 받았던 캔일것이다.
⁵오세보는 7월 초순부터 7월 20일경까지, 오츄겐은 12월 초순부터 20일경까지 평소에 신세 졌던 분들께 감사의 마음을 전하는 선물 풍습.
パタン。 重たいはずの冷蔵庫のドアも、 決意にならってすこし軽く聞こえる。 ロング缶ひとつを手に、 戻って。
달칵. 무거울법한 냉장고의 문도, 결의 때문인지 조금 가볍게 느껴진다. 긴 깡통 하나를 손에 들고, 돌아간다.
「これもらっていい?」 と小首を傾げて問いかければ、 「あぁうん。 この前持って帰ってきたんだけど、 まだ飲んでなかったんだ」 と返ってきた。
「이거 받아도 괜찮은거야?」 라고 고개를 갸웃하고 물으니, 「아아 응. 지난번에 가지고 왔었는데, 아직까지 마실 일이 없었어」 라며 답해준다.
そのまま自分の居た席に戻ってもよかったけど、 強引に千歌ちゃんの隣に座りなおす。 グラスを手元にひきよせて、 問答無用でプルタブをあけて。
그대로 자신이 앉았던 자리에 돌아와도 좋았겠지만, 일부러 치카쨩의 옆에 앉는다. 잔을 손으로 끌어당기고, 문답무용으로 캔 뚜껑을 열어제낀다.
「曜ちゃん?」 ごもっともという響きをした怪訝な声を、 「まぁまぁ御嬢さんお飲みなせぇ」 なんて一気にグラスを満たす。 勢いつけすぎて、 泡がたちすぎて。 急な動作で間に合わなくて、 千歌ちゃんがあわててグラスに口をつける。
「요우쨩?」 당연하다는 말을 의아하다는 목소리로 하는걸 듣고, 「사양하지 말고 아가씨 부디 마셔주세요」 라며 단번에 잔을 채운다. 기세가 너무 강했던 건지, 거품이 많이 일어난다. 갑작스러운 동작에 손발이 맞지 않아, 치카쨩이 황급히 잔에 입을 댄다.
「あのさ。 千歌ちゃん!」
その姿勢がもどらないうちに、 ぎゅうっと両腕で閉じ込めて、 一気に解き放った。
「卒業までのあいだ、 一年ちょっとしかないけど、 いっしょに暮らしてほしい」
「저기. 치카쨩!」
그 자세가 돌아오지 않은 상태에서, 꼬옥 두팔로 몰아넣고, 단숨에 감싸 안았다.
「졸업까지 앞으로, 일 년 정도밖에 남지 않았지만, 함께 살고 싶어」
あああああああああああああ。 とうとう言ってしまった。 こっちはずっと寮生活だったし、 いろいろ擦りあわせることもたくさんあるし、 いまさらなのもわかってるんだけど。 ほんとうに最後のわがままのつもりで吐きだしたおかげで、 心臓まで吐きだしそうなんですけど。
아아아아아아아아아아아아아. 마침내 말해버렸다. 여기선 계속 기숙사 생활이었고, 여러가지 스칠 일도 많이 있지만, 이제 와선 그것도 알고 있었으면서도. 정말 마지막의 멋대로의 생각으로 내뱉은 덕분에, 심장까지 내뱉어버린 것 같은데요.
ぎゅうっと輪っかに繋いだ手が、 反応が怖くてほどけないとか。 けっきょくたいがい怖がりなんだけど。 その耳元で、 「はぁ」 とこれみよがしなため息がひびいて反射的にとびのきそうになってしまった、 のに。 腕をほどくことは赦されなかつた。
꼬옥 껴안은 손이, 반응이 무서워서 풀리지 않았다든가. 어쨌든 대부분의 행동이 겁쟁이 같았다. 그때 귓가에 들리는, 「하아」 하는 보란듯한 한숨이 울려서 반사적으로 확 떨어지려, 했지만. 팔을 푸는 것이 용서되지 않았다.
「曜ちゃん!」
「ひゃい!」
巻きつけた腕をがっちりつかまれて、 身動きできなくされたのは自分のほう。 ダイレクトに肌から響くほどの声で呼ばれて、 背筋の芯までピシっと正されてかたまってしまった。
「요우쨩!」
「히약!」
둘렀던 팔을 단단히 잡힌 채, 꼼짝 못하게 된것은 자신의 쪽. 다이렉트로 피부가 울릴듯한 목소리를 들으니, 등골 속까지 뻣뻣하게 바로잡혀 뭉쳐버렸다.
「そこはさぁ」
視線がこちらを向く。 まつげの先でそれが重なる。 角度ひとつで、 くちびるはやわりとかさなって。 温度だけをのこして、 離れていく。
「ずっといつしよに居ようって言うところでしよ」
呆れたような。 困ったような。 そんな声で放り投げておいて、 愛おしげに微笑まれたら。 たまらなく、 なる。
「그건 말이지」
시선이 이쪽을 향한다. 속눈썹 끝으로 그것이 겹친다. 한 각도로, 입술이 꽤 겹쳐진다. 온도만을 남기고서, 떠나간다.
「언제까지나 계속 하려고 한단 말이야」
기가 막힌듯한. 곤란한 것 같은. 그런 목소리로 내던지고서, 사랑스러운 듯이 미소 짓는다. 못 견딜 것, 같아.
ーー。
必死になって告げた言葉をくるっと包み込まれて、 気持ちごと抱きしめ帰されたのは自分のほう。 身じろぎした腕の中の彼女の手が、 背中にまわってぽんとあやしてくれる。 そのやさしさに身を寄せると、 お互いの頼がしとりと重なった。
필사적으로 내뱉은 말이 다시 돌아와, 마음에 껴안아져 오는 건 자신의 쪽. 조금 움직인 품 속의 그녀의 손이, 허리를 돌며 별안간 달래준다. 그 친절함에 몸을 맡기면, 서로가 의지하는 듯이 보인다.
「……就職の話をして。 この先待ってる未来が遠距離だって、 離れる時間が多くなるつて。 それがちよっと不安だから、 言ってくれたんじゃないの?」
「はい。 そのとおりです……」
「……취직 이야기를 하고. 앞에 기다리는 미래가 장거리라고 해서, 헤어져 있는 시간이 많아질 거 같아서. 그것이 조금 불안하니까, 그런 말을 해준 거 아니야?」
「네. 그렇습니다……」
千歌ちやん。 ほんとうはずっとずっといろいろ考えられる子で。 だから、 お互いに遠回りしたり、 すれ違ったりしたんだけど。 真正面から受け止めようとしてくれる気持ちとか、 実直さとか、 やさしさだとか、 そういうところが昔からすきだったんだなって再確認させられてしまう。
치카쨩. 정말로 계속 계속 여러가지 생각이 들게 되는 아이다. 그래서, 서로 멀리 돌아가거나, 엇갈리기도 했었는데. 정면으로 받아들이는 듯한 마음이라든지, 정직함이라든지, 부드러움이라든지, 그런 점이 옛날부터 좋아하던 이유라고 재차 확인하게 된다.
「どんな未来になるかなんて、 やっぱり誰にもわからないじゃない。 そういう毎日を、 ずっとすごしてきたでしょ。 いますぐになにかを決めつけて、 それをおそれて、 これからをやめちゃうなんてもったいないことだって。 私たちは身をもって知ってるんだよ」
おっしゃるとおりです。 そのとおりでした。 ずっと、 私たちが、 自分たちが、 駆け抜けてきた時間の延長線上にいまがある。
「いまさら寮出て通うのたいへんじゃない?」
「そこは、 まぁ。 ちょっとどころか頑張ります」
「어떤 미래가 될지는, 역시 아무도 모르는 거잖아. 그런 매일을, 계속해서 보내어왔잖아. 당장 무언가를 단정 짓고서, 그것이 두려워, 앞으로 나아가지 않고 그만두는 것이 아깝다는 것을. 우리는 몸으로 알고 있잖아」
그랬었다. 그 말대로였다. 계속, 우리들이, 자신들이, 달려왔었던 시간의 연장선상에 지금이 있다.
「이제 와서 기숙사를 나와서 다니기는 힘들잖아?」
「그거는, 뭐어. 조금 노력하면 괜찮지 않을까」
寮を出るとか言ったら、 先輩とか後輩とかにもぜったいに突かれるし。 いまさらなんで幼馴染と住むんだとか言われるだろうし。 あんまり周りに言ってまわることでもないから、 真相を知っているのは内浦での顔なじみくらいで。 だけど。 せっかく一緒に居ようと気持ちを決めたんだから、 飛ぶまえに怖気づいてたらなにもはじめられない。
기숙사를 나간다고 말하면, 선배나 후배 라든지에게 들킬 수도 있고. 이제 와서 왜 소꿉친구와 살고 있냐느니 같은 말을 들을 것이기도 하고. 워낙 주위에 말하고 다니는 것도 아니기 때문에, 진상을 알고 있는 것은 우치우라에서 낯 익은 얼굴 정도. 하지만, 모처럼 함께 하자고 마음을 결정했으니까, 나는 전부터 겁부터 나면 아무것도 시작하지 못했었다.
きゅぅと腕を強める。 もう一度、 とじこめる。 こんどは自分の気持ちごと。 もう二度と手放さないくらいの気持ちで、 かたくなに。
꽉하고 팔을 다시 강하게 한다. 다시 한번, 끌어안는다. 이번에는 자신의 감정처럼. 두번다시 놓지 않을 정도의 기분으로, 완고하게.
「ようちゃん、 っと、 さすがにくるしいよ」
「요우쨩, 이거, 역시 아프단말이야」
文句のわりに甘い声で言われて、 「うん。 ごめん」 って謝るわりに腕をゆるめることができなかった。 なんか、 こういう感じ、 二回目かも。 いまだにおぼえてる高校二年生の夏。 ぐるぐる迷子になった気持ちを掬い上げてくれたのは、 やっぱり彼女の手だった。
불평하는 말에 비해서 달콤한 목소리로 말해서, 「응. 미안」 이라고 사과하면서도 쉽사리 팔을 풀 수 없었다. 왠지, 이런 느낌, 두 번째일지도. 아직도 기억하는 고등학교 2학년 때의 여름. 빙글빙글 미아가 된 기분을 떠올리게 해 준 것은 역시 그녀의 손이었다.
「ていうか。 私、 まだ、 返事してないんだけど」 なんて、 思わぬ返しに驚きの呻きをあげた瞬間。 「明日から部屋の候補を急いで探さないといけないね」 という追い撃ち。 あぁ。 そう、 いたずらな微笑みを重ねて。 重ねられて。 困ってしまうくらいに、 好きばっかりが増えていく。
「라고 할까. 나, 아직, 대답하지 않았지만」 이라는, 뜻밖의 답변에 깜짝 놀란 소리를 내는 순간. 「내일부터 방의 후보를 서둘러 찾지 않으면 안되겠지」 라며 이어지는 말. 아아. 이렇게, 장난스러운 미소를 거듭 짓는다. 거듭 지어 보인다. 곤란할 정도로, 좋아하는 마음은 커진다.
しまらない。 決まらない。 そんなゆるっとした関係のまま、 きっとずっと私たちは続いていくんだろう。 そのときそのときをまっすぐに、 誠実に、 真正面からうけとめて。 全力を尽くしながら。 気持ちが求めていく方へ。
맺히지 않았다. 정해지지 않았다. 그런 느슨한 관계로, 계속 쭉 우리는 계속되어왔다. 그때 그때를 똑바로, 정직하게, 정면으로 받아들이고 있었다. 전력을 다해서. 마음이 가는대로.
「そうと決まれば曜ちゃん。 しっかり腹ごしらえして、 明日からの作戦を練らないといけないよ」
ーー曜ちゃんの押しかけ同棲でも、 まったくかまいやしないんだけど。 部屋狭いからさすがに厳しいか。
「그렇게 하려면 요우쨩. 제대로 식사도 해야 하고, 내일부터 계획을 짜지 않으면 안 될 거야」
ーー요우쨩은 들이닥쳐서 동거를 해도, 전혀 상관 없는데. 방이 좁아서 역시 어려우려나.
あまやかな口調から、 ふくりと微笑みで切り替えて。 まだ食ベすすめられていなかった鍋にもう一度向かう。 気持ちはもういっぱいなんだけど、 どうやら安心したお腹がごはんを求めているらしい。
달콤한 말투에서, 행복해 보이는 미소로 바뀌어간다. 아직 다 먹지 못했던 냄비로 다시 향한다. 마음은 이미 가득했지만, 아무래도 안심한 탓인지 배가 밥을 요구하는 것 같았다.
「いろんなこと、 話そうね」
それで、 一個ずつ決めていこう。
誠実な声と言葉に胸を揺さぶられて、 思わずこぼしてしまっても仕方がない。
「千歌ちゃんのこと、 好きになれてよかった」
「そっくりそのままお返しします」
机のはすむかいに座りなおして、 ふたたび囲む食卓。 湯気のむこうでほんのり頼を酔わせた最愛の人が、 しあわせそうに微笑った。
「여러가지, 얘기해보자」
그렇게, 한 개씩 정해보자.
성실한 목소리와 말에 가슴이 동요하여 무심코 내뱉어 버려도 어쩔 수 없다.
「치카쨩을, 좋아하게 되어서 다행이야」
「그대로 돌려주도록 하겠어」
상의 건너편으로 다시 돌아가 앉아, 식탁을 둘러앉는다. 온기의 너머로 어렴풋이 서로를 의지하는 내 사랑하는 사람이 행복하게 미소를 지었다.
【きみごはんの湯気のむこう 了】
【당신의 식사 온기 너머에서 끝】